互助会とは
結婚式や葬儀には多額の費用が必要となりますが、そんな時に助けになるのが互助会です。
互助会とは、正式名称を「冠婚葬祭互助会」と言い、結婚式と葬儀の費用を積み立てて準備しておくための制度です。
ここでは互助会の仕組みと歴史について紹介します。
互助会の仕組み
互助会とは、毎月決まった掛け金を一定期間積み立てることにより、結婚式や葬儀の際に掛け金に応じたサービスを利用できる仕組みです。
掛け金を払う点は保険と似ていますが、保険は現金を受け取るのに対し、互助会はサービスという形で返ってきます。
会員になると、提携先の結婚式場や葬儀場を一般価格よりも安価に利用できる他、遊園地の割引や介護用品の割引など様々な特典が付いてくるものもあります。
互助会の歴史
互助会は横須賀が発祥の地です。終戦後は物資もお金も不足していたため、親たちは娘の結婚式の花嫁衣裳を買うことができませんでした。
そこで、近所の人達で少しずつお金を出し合って1着の花嫁衣裳を買い、それを大切にその地域の花嫁が着回し、結婚の門出を祝ったそうです。
このような、「少しのお金でも皆で助け合って協力し合えば立派な結婚式が挙げられる」という発想が互助会の出発点です。
後に日本初の互助会である「横須賀市冠婚葬祭互助会」の設立に至り、互助会が全国的に普及することとなります。
互助会のメリット
互助会に入っているとどのようなメリットを受けることができるのでしょうか。
以下で具体的に解説します。
急な出費に対応できる
互助会で月々掛金を積み立てておけば、葬儀や結婚式の費用の不安を減らすことができます。
契約内容によりますが、基本的な葬儀の費用が通常よりも3割から5割ほど割引されます。
また、掛け金を完納する前に冠婚葬祭を行う場合でも、完納額との差額を支払うことで各種割引特典を受けることができます。
家族全員がサービスを受けられる場合もある
家族の一人が互助会に入会していれば、同居している他の家族もサービスを受けることができます。
例えば、父親が互助会会員であれば、息子や娘が結婚式を挙げる際にサービスを受けることが可能です。
なお、同居していない家族や親族であっても、親族間利用申請を行うことでサービスの利用が可能です。
ただし、互助会のサービスは1契約につき1回だけしか利用できません。
例えば、父親が会員で息子や娘が結婚式でサービスを受けた場合、父親の葬儀にはサービスを受けることができません。
どのタイミングでサービスを受けるかよく考えて利用しましょう。
物価変動に強い
互助会は保険と異なり、「前払式特定取引業」という契約法に基づいているため、物価が変動しても掛金は変わりません。
また、掛金を完納してからサービス利用までの間に物価上昇に伴って冠婚葬祭費が高騰していても、契約時のサービス内容を契約時の掛金のまま利用できるよう権利が保障されています。
会員特典がある
互助会運営会社によっては、会員になると様々な特典が付く場合があります。
特典内容は、ホテル宿泊費・遊園地利用料の割引、介護用品の利用料割引、人間ドック費用の割引など多岐に渡ります。
互助会に入会する際、自分の希望にあった特典があるかどうか確認しておきましょう。
互助会のデメリット
前述したように互助会には沢山のメリットがありますが、同時にデメリットもあります。
互助会に入会する前に契約内容をよく吟味し、メリットとデメリットの両方を十分に理解しておきましょう。
お金が拘束される
毎月掛金を積み立てる点は銀行の積立貯金と同じですが、途中で解約する場合を除き、現金を引き出すといったこともできません。
また、貯金と違って利息も付きません。積み立てた掛金はサービスを利用する権利として戻ってくることになります。
そのため、積立金は冠婚葬祭に係るサービス以外に使うことはできません。
自由に使えないということはよく理解しておきましょう。
提携斎場に限定される
互助会に入会すると、指定の斎場で大幅な割引が適用される一方で、利用できる斎場は限定されてしまいます。
サービスが利用できるのは、互助会を運営している会社が運営・提携している斎場のみです。
そのため、互助会入会後に引っ越したり、運営会社の事業縮小により提携斎場の数が減ったりするとリスクがあります。
斎場までの距離が遠くなり、結果的に参列者を呼ぶことが難しくなって冠婚葬祭のサービスを利用する機会がなくなる可能性があります。
積立金のみで葬儀が行えるとは限らない
互助会のプランには葬儀に必要な基本的なパッケージは含まれていますが、読経していただいた僧侶へのお礼などは別途必要になるなど、全てをカバーしているわけではありません。
実際には、契約した内容よりも多くのオプションが必要になるケースがあり、結果として互助会の積立金以上の出費になることがあります。
また、プランの選択肢が限られているため、思い通りの葬儀を執り行うことができない可能性もあります。
契約時にプランの内容をしっかりと確認することが大切です。
解約金トラブルに注意
互助会を途中で解約する場合、解約手数料が必要です。
返金時は、解約時までに積み立てた金額から解約手数料を引いた金額が返ってきます。
解約手数料は積立金の15%から20%と高めに設定されていることがあるので、トラブルにならないよう、最初に契約条件を確認し入会するようにしましょう。
まとめ
本稿では、互助会の内容や特徴について解説しました。
互助会は銀行預金のように利息は付かず、保険のようにお金が振り込まれることもありませんが、冠婚葬祭を行う際に割安に利用できる上、様々な特典が付く点も魅力的な制度です。
もしもの時のために日頃から積立をしておくことで、急な葬儀でも安心して対応することができます。
自身の人生プランに合った互助会を選び、特典を最大限活用してみましょう。