埋葬許可証とは
埋葬という言葉を調べると、「死者を土の中に埋めること」の意味としてありますが、現代における「埋葬」という言葉は、元々の意味合いとは少し異なる意味を持ちます。
また「火葬」と「埋葬」は本来的に意味が異なっており、その区別も必要です。
以下では埋葬許可証とはどのようなものなのか、上記の点に触れつつ解説します。
土葬するための許可証が「埋葬許可証」
我が国の法律において、埋葬とは「死体を土中に葬ること」と定められているため、土葬するための許可証を「埋葬許可証」と呼びます。
現代は遺体のほとんどを火葬することが一般的ですが、今でも限られた一部地域において土葬で葬送を行う風習が残っています。
「埋葬許可証」が本来の意味で使われるのは、国内では土葬の風習が残っている地域だけということになります。
「火葬許可証」が「埋葬許可証」になることはない
「死体火葬埋葬許可証」は2つの場面で必要になります。
それは、火葬・埋葬の許可と、遺骨・遺体の管理です。
同書類には火葬執行者か火葬担当者の捺印が必要です。
押印された許可証は火葬された遺骨の管理のために使用されます。
火葬後に遺骨・遺体の管理の書類としての意味を持つようになりますが、名称は依然として「死体火葬埋葬許可証」のままです。
納骨時に必要な「埋葬許可証」とは?
「死体火葬埋葬許可証」は、多くの人がそう感じるように、名前が長くとらえづらいものです。
そのため、次第に「埋葬許可証」とシンプルに呼ばれるようになりました。
さらに、近年では埋葬が行われること自体がほとんどなくなったため、自然と埋葬の意味が「遺骨の埋蔵・納骨」に変化し、火葬後の納骨管理や納骨許可証のことを指して「埋葬許可証」という言葉が使われるようになりました。
埋葬許可証はどのようにして手にするのか
埋葬許可証の提出が必要となる場面は納骨時です。
ここからは、埋葬許可証の取得方法について詳しく解説していきます。
死亡届を提出後、火葬許可証(埋火葬許可証)を発行してもらう
亡くなった後、病院などから渡される「死亡診断書」を持ち個人の住民票のある市役所に行き、死亡診断書を提出します。
すると、火葬許可書が発行されます。
火葬する当日に火葬場の事務所へ火葬許可証を提出し、火葬していただく流れです。
地域などによっては火葬許可書ではなく「埋火葬許可証」と呼ばれることもあり、火葬時だけではなく、お骨をお墓に埋葬する際にも必要となるので大切に保管する必要があります。
許可証発行までの流れは、依頼した葬儀社が対応するケースがほとんどです。
火葬が終わると火葬場から「埋葬許可証」が渡される
火葬が終わると、お骨を骨壺に収める骨上げを行い、骨壺を受け取ります。
その際、骨壺が納められる桐箱に埋葬許可証が納められていることが大半です。
または別に手渡しの場合もありますが、お墓へお骨を納める際に必ず必要とる許可書なので、無くさずに保管する必要があります。
埋葬許可証、3つのチェックポイント
ここからは、いざという時のために覚えておきたい、埋葬許可証にまつわる4つのチェックポイントをご紹介します。
チェック1:埋葬許可証は火葬後に発行されるもの
埋葬許可書は火葬ののち、発行される重要な書類です。
埋火葬許可証は死亡届と同時に発行され「火葬許可証」と「埋葬許可証」が一緒になった書類です。
手渡された書類をしっかり確認しましょう。
また、許可書などの手続きは、葬儀を依頼している葬儀社で対応してくれることがほとんどです。
チェック2:お墓へ納骨する際は「埋葬許可証」を忘れずに
火葬も終え葬儀がひと段落すると、49日法要を機にお墓へ納骨をされる方もいるでしょう。
檀家の場合は、お寺へ忘れずに埋葬許可証をお渡しください。
霊園や納骨堂の場合は、管理事務所へ提出することになります。
納骨を依頼する際の説明時に「埋葬許可証も忘れずにお持ちください」と促していただけますが、どこにあるのかわからない場合も慌てずに。
骨壺が納められている桐箱に入っている場合が大半です。
手渡しの場合や埋火葬許可証の場合は、保存した場所を改めて探しましょう。
それでもない場合は落ち着いてチェック3をお読みください。
チェック3:埋葬許可証は再発行が可能
埋葬許可証を紛失した場合は、発行されたときから5年以内であれば再発行(再交付)が可能です。
「火葬を行った火葬場(斎場)・市町村の役所」へお問い合わせください。
「火葬場がどこだったか覚えてない!」そんなときは葬儀を依頼された葬儀社へ問合せてみましょう。
スムーズに手続きが出来れば1日で対応が完了します。
【再申請に必要な物】
・申請書
・申請者の身分証明書(免許証など)
・申請者の認印(朱肉を使うもの)
・申請者と死亡者との続柄がわかる書類(戸籍謄本など)
・発行費用:数百円~
※5年以上経過している場合は難しい場合もあります。経過年数が経って申請する際は事前に相談してみましょう。
まとめ
埋葬許可証とは、火葬が済み、お墓などに納めるこめとが出来る証明として渡されます。
万が一紛失してしまった場合は、保管期間とされる5年以内であれば、火葬場や役所などの窓口で再発行が可能です。
「お墓を探してからの納骨だから、すぐに納骨しないし必要ない」と許可証を処分をしてしまうことはもってのほかです。
主流となりつつある合祀墓や樹木葬などでも、必ず必要となる許可証ですから納骨されるまで大切に保管されることをお勧めします。