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社葬でのマナーを解説!当日の持ち物から服装、弔電の例文まで

  • 更新:2023/12/29
  • 公開:2023/3/9

このような方に読まれています

  • 社葬と葬儀の違いを知りたい
  • お世話になった会社の幹部層の葬儀にいく
  • 大型葬の流れを知りたい

会社で執り行う葬儀を「社葬」と言います。会社単位で行うとても大きな規模の葬儀になります。
近年はコロナ禍ということもあり見合わせていた企業も多かったようですが、コロナも落ち着きつつある今、また大型葬も増えてきています。

社葬もそう滅多に執り行われず、「社葬と通常の葬儀の違いが分からない」「参列者のマナーについて分からない」といった悩みをお持ちの方もいるでしょう。

社葬の意義やマナーを知っていれば、通常の葬儀でなくても安心して参列することができます。そこで本稿では、社葬の基礎知識と種類、社葬の流れ、参列者のマナーについて説明します。

社葬とは

社葬とは、会社に大きな貢献をした人物が亡くなり、遺族が葬儀を行った後に、費用と運営を会社が担って行う葬儀のことです。

一般葬は故人を弔う宗教的な儀礼ですが、社葬は故人を偲ぶとともに、後継者を周知し、新体制になることをアピールする広報的な側面を持っています。

さらに、通常業務とは異なる社葬の準備の過程が結束を強くし、より盤石な体制へと導きます。会社にとって社葬の成功、失敗は、会社の将来がかかっていると言っても過言ではありません。

社葬の対象となる人物は以下の通りです。

1. 現役の会長や社長
2. 会長もしくは社長として10年以上在職した者
3. 現役の副社長、専務、常務
4. 会長もしくは社長として10年未満在職した者
5. 業務中に亡くなった社員

社葬の種類

社葬は費用の負担者、形式によって種類が異なります。ここでは、社葬、お別れの会、合同葬について解説します。

社葬

社葬は、遺族が葬儀を行った後から四九日の法要を行うまでの間に行います。会社が施主となり、葬儀費用を全額負担し、喪主は遺族代表者に依頼します。

社葬は、後継者及び新体制の周知を行う重要な場のため、厳粛な空気の中執り行われます。

また、社内外の関係者が参列するため、社葬は大規模な葬儀になりますが、故人の貢献度によって費用と規模は異なります。

お別れの会

近年は、有名人が亡くなった際に行われる「お別れ会(偲ぶ会)」を行うケースが増えています。

お別れ会とは、近親者で葬儀を行った後、逝去から40日前後または1周忌法要などに合わせて行われるもので、社葬よりも宗教色が薄いことが特徴です。

費用、運営主体は会社となります。本社やホテル、レストランなどで開かれ、会食形式や、音楽や献花で故人を送るなど、故人や企業の意向を反映した多様な形式で開くことができます。

ホテルやレストランで開催する場合は、遺骨の持ち込みや読経、焼香などができない可能性もあるたまえ事前に確認しておきましょう。

合同葬

合同葬とは、一般的な葬儀を会社と遺族が一緒に行う形式です。2つ以上の企業が合同で執り行う場合も合同葬と呼ばれています。合同葬は、大企業をはじめ中小企業でも多く採用されている形式です。

費用は会社と遺族で分担して負担するため、社葬と比べると会社側の負担は軽減されますが、死後1週間前後で執り行うため、あまり準備期間を設けることができません。

社葬の流れ

社葬の流れを知っておけば、当日も慌てることなく参列することができます。ここでは、一般的な社葬の流れと気を付けたいポイントを紹介します。

社葬に参列する際はぜひ参考にしてみてください。

受付

開式の1時間程前より受付が開始します。一般的な葬儀と同様に、受付では名前を記帳し香典を渡します。社葬では名刺も渡します。

遺族は控室で休んでいるか、参列者が多い場合は参列者控室に出向かれるので、タイミングを伺って開式の前に遺族へ挨拶をしましょう。その際、挨拶は手短に済ませ、忌み言葉を使わないよう注意します。

導師入堂、開式の辞

関係者の着席が完了すると、導師入堂の合図とともに僧侶を迎えます。その際、指示に従い合掌で僧侶を迎えます。

その後、葬儀委員長、または喪主が開式の宣言をし、続いて僧侶の読経が30分前後行われます。

弔辞拝受、弔電披露、葬儀委員長挨拶

3~4名による弔辞の朗読と弔電の奉読が終わると、葬儀委員長より挨拶があります。

挨拶では、故人の経歴とともに、故人の人柄が分かるようなエピソードが披露されることが多いです。

焼香

読経が再開されると、葬儀委員長・喪主、親族の焼香に続き、参列者の焼香が始まります。

焼香の順番は、取引先、一般参列者、社員、係員の順で行われます。人数が多い場合は、焼香が終了した方から返礼品を受け取り、流れ解散となることもあります。

導師退場、閉式の辞、お見送り

僧侶の退場を合掌で見送った後、開式の辞と同様に進行役の挨拶で閉式となります。

お見送りでは、遺骨が葬儀委員長から喪主に手渡され、自宅に向かう遺骨を整列して見送ります。

社葬でのマナー:服装

喪服とは、弔意を表すために着るものです。服装のマナーを守らないと、弔意が伝わらず失礼な印象を与えてしまいます。
しっかりマナーを守って参列できるよう、ここでは参列時の服装マナーについて男性と女性に分けて解説します。

男性の服装

男性は、ダブルもしくはシングルの上下黒のスーツで揃えます。ネクタイは黒色を着用しタイピンはつけません。

ワイシャツは光沢のない無地の白色を着用しましょう。靴下は無地の黒、靴も光沢感のない革靴を選びます。
髪型は短めで清潔感が出るようにし、髪を染めている場合は事前に黒染めをして参列しましょう。

女性の服装

女性の場合は、黒や紺色のスーツ、またはワンピースを着用します。スカートの裾は、膝が隠れる位の長さにし、黒のストッキングを着用します。

コートを着用する場合は、殺生を連想させる毛皮素材のものは避けましょう。

アクセサリーは、基本的に結婚指輪以外は身につけませんが、一連タイプの真珠のネックレスであれば身につけても問題ありません。

バッグは光沢や飾りのないものを選び、靴は光沢のないヒールの高さが3~5cmのシンプルなパンプスを選びます。
髪が長い場合は低い位置で1つにまとめ、メイクは落ち着いた印象の薄化粧にします。

社葬でのマナー:持ち物

社葬に参列する際、用意しなければならない持ち物について説明します。

一般的な葬儀とは異なる点もあるので、よく確認し事前に準備しておきましょう。

名刺

社葬に参列する際、会社の代表として参列するため受付で名刺を渡します。名刺には、右上に「弔」と記入するか、名刺の左下を表側に折っておきます。

代理で参列する場合は、本来参列すべき代表者の名刺と代理人の名刺の計2枚を受付で渡します。代理人の場合は、右上に「代」と書くか左下を折りましょう。

香典

社葬では、企業が香典を受け取ると課税対象となるため、遺族が受け取るのが一般的です。

香典は、和紙製の不祝儀袋に入れて渡します。不祝儀袋は、水引が「結び切り」で「のし」がないものを選びます。

また、不祝儀袋は包む金額によって適切なものを選ぶ必要があります。金額に対応する不祝儀袋は以下のとおりです。

・3千円~5千円:水引がプリントされているもの
・1万円~3万円:黒白、または双銀の水引が7~10本のもの
・4万円以上:高級和紙に水引が10本以上あるもの

なお、キリスト教の場合は百合の花や十字架の不祝儀袋を使用します。

表書きは、仏式は「御香典」「御香奠(おこうでん)」、キリスト教は「御花料」、神道は「御玉串料」「御榊料(おさかきりょう)」と毛筆書きしましょう。

名前は、会社の代表者名を記載するのが一般的です。香典は袱紗(ふくさ)に入れて持参し、袱紗は寒色系の暗い色のものを使用します。

数珠

社葬が仏式の場合は持参しますが、神道やキリスト教の場合は不要です。また、仏教徒でない場合は持参する必要はありません

数珠には、本式数珠と略式数珠があります。本式数珠は、珠が108個ある格式の高いもので、各宗派のものがあります。一方、略式数珠は宗派を問わず使用することができます。

数珠の選び方は、男性は珠が大きいもの、女性は小さいものを身に着けます。
なお、数珠は持ち主を守る「お守り」としての役割があるため、貸し借りをすることは避けましょう。

社葬でのマナー:弔電

弔電とは、葬儀に参列できない場合、遺族に対してお悔やみの言葉を伝えるための電報です。よって、社葬に参列できない場合は弔電を出すのが一般的です。

社葬の場合、宛先は葬儀の責任者である葬儀委員長宛とします。

差出人は「企業名+代表者名」とするのが一般的ですが、重要な取引先であれば「企業名+担当者名」でもう1通弔電を出すか、「企業名+代表者名」に担当者名を添えて弔電を送ります。

以下では個人名義の場合と、会社名義の場合の例文を紹介します。

個人名義

・ご逝去を悼み、故人のご功績をたたえ、心からお悔やみ申しあげます。

・〇〇様のご訃報に接し、偉大なる業績と人格とに深く敬意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

・ご訃報に接し、ご遺族皆様方に哀悼の意を表すとともに〇〇様のか輝かしいご功績とご人徳を偲び謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

会社名義

・〇〇様のご訃報に接し、当社社員一同、謹んで哀悼の意を表します。

・突然の〇〇様のご訃報に、私ども社員一同驚愕し、悲観に暮れるばかりでございます。心からお悔み申し上げます。

・〇〇様のご訃報に接し、心からお悔やみ申し上げます。この度は突然のことで、さぞかしお力落としのこととお察し申し上げます。人望厚き方だっただけに、社内でも皆悲しんでおります。遥かにご冥福お祈り致します。

まとめ

本稿では、社葬の基礎知識と、当日の流れやマナーなどについて紹介しました。

社葬は、故人を偲ぶだけでなく、会社が新たなスタートを切るための重要な儀式です。

また、今後のビジネスを円滑に行う上でも失敗のできない場です。
今回ご紹介した内容を参考に、失礼のないふるまいを心掛けましょう。

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