仏壇を置く場所
仏間がない場合、どこに仏壇を置くか迷うと思います。
ここでは、仏壇を置く部屋と避けるべき場所を紹介します。
仏壇を置く部屋
一般的なご家庭にある和室、洋室、寝室について、それぞれの部屋にあった仏壇の種類と置く際の注意点について解説します。
和室
和室に置く場合は、畳の上かタンスの上に置くのが一般的です。ただし、畳の上に置くにあたっては以下の2点に注意しましょう。
1つ目は、畳を傷つけないようにすることです。直に置くと畳を傷つけてしまうので、仏壇の下にカーペットを敷くと良いでしょう。
厚手のカーペットはぐらついて地震などで倒れてしまう危険性があるので、薄手のタイプがおすすめです。
2つ目は、床の間がある場合、床の間と向かい合うように設置しないことです。床の間は上座なので、上座と対角線上に仏壇を置くと下座にあることになってしまいます。
仏壇は上座に置くのが一般的なので、床の間がある場合は床の間に設置しましょう。
リビング
リビングに置く場合は、洋室に合わせたモダンなタイプの仏壇がお勧めです。
ペットを飼っている方は、ペットの手が届かない位置に置きましょう。
寝室
心を落ち着けて、静かに向き合える寝室に仏壇を置くこともできます。
注意点としては、寝る際に足が向かない位置に置くことです。足の先に置くことは仏様に対して失礼にあたるので避けましょう。
設置を避けるべき場所
仏壇は木材でできており傷みやすいため、基本的に木材が傷む場所を避けて仏壇を設置する必要があります。
直射日光に当たる場所や風通しが悪い場所は、表面の塗装が剥がれてしまう可能性があるため設置する場所としては適していません。
また、冷暖房が当たる場所は木材の伸縮が起こりやすく、最悪の場合、扉が開かなくなる可能性もあるので避けましょう。
さらに、仏壇が傷むこととは無関係ですが、テレビやオーディオラックの上など音がする物の上に設置するのは仏様に失礼に当たるためやめましょう。
仏壇の向き
仏壇の向きには様々な説があります。ここでは主な日本の宗派によって信じられている3つの説と、宗派に関係なく信じられている説を1つ紹介します。
南面北座説
南向きに仏壇を置く、曹洞宗と臨済宗が取り入れている説です。仏壇を置く向きとして北向きがよくないとされるのは、昔の中国で位が高い方が南を向いて座り、家来は北を向いて座っていたという慣習に由来します。
また昔の家の作りから、仏壇を南に向けると直射日光が当たらず風通しが良い場所に置けるというメリットもあったようです。
本山中心説
真言宗が取り入れている説です。
仏壇の置く向きは、拝む延長線上に宗派の総本山がある方向になるため、住む地域によって方角が異なります。
西方浄土説
浄土宗、浄土真宗、天台宗が取り入れている説です。仏壇の置く向きは西になります。
西方浄土とは仏様が住んでいる極楽浄土のことを示し、極楽浄土ははるか彼方の西の方角にあるとされているので、西向きに仏壇を設置すれば、極楽浄土に向けて手を合わせることになると考えられています。
春夏秋冬説
どの方角にも必ず意味があり、良し悪しをつけてはならないというお釈迦様の考え方に基づく説です。
宗派は関係なく、この説を信じる場合は仏壇の向きは気にせず好きな方向に設置して構いません。
ご本尊の高さ
仏壇ではご本尊が仏壇の中心となります。お参りする際にご本尊を見下してはならないため、ご本尊を見下さないよう、座った時に自分の目線より上になるように仏壇を置きましょう。
なお、立ってお参りする場合は自分の胸より少し上に仏壇を置くようにすれば問題ありません。
部屋に神棚がある場合
神棚は神様を祀る場所、仏壇は亡くなって仏となったご先祖様を祀る場所です。
お祀りする存在がそれぞれ違うため、神棚と仏壇を一緒に祀るのはよくないと思われがちですが、実は同じ部屋に安置しても問題ありません。
ただし、同じ部屋に置くに当たって注意点が2つあります。
1つ目は向かい合わせに設置しないことです。向かい合わせに設置してしまうと、どちらかお参りする時に一方にお尻を向けてしまうこととなり、これは失礼な行為に当たります。
よって少し離して同じ方向に設置するか、L字に設置するなど工夫しましょう。
2つ目は上下をつけて設置しないことです。上下に設置してしまうと、仏様と神様に上下関係を示す行為となってしまうため気をつけましょう。
まとめ
この記事では、仏間がない家で仏壇を設置する際の仏壇の置き方と注意点を紹介しました。
仏壇の向きなどの決まりごとは宗派によって異なるので、設置する前に必ず自分の家の宗派について確認しておきましょう。