葬式の電報とは
葬式の電報は、通夜や葬儀・告別式に参列できないときに、弔意をあらわすために送ります。電報は葬儀・告別式で読まれるため、式の始まる前に会場へ届けなくてはいけません。
送るタイミング
弔電は、不幸の知らせを聞いたらすぐに手配をしましょう。通夜に間に合うように送るのが一般的ですが、どうしても間に合わない場合は、葬儀・告別式が始まる3時間前までに会場へ届くように手配します。
葬儀・告別式が自宅で行われる場合は、式の前日に届くようにしましょう。葬儀・告別式の当日は準備で慌ただしくなるので、時間に余裕を持って届くように手配するのが重要です。ただし、遺族が到着していない時間に弔電が届くと、斎場によっては受け取ってくれないところもあるので注意が必要です。
葬儀に間に合わなかった場合は、弔電ではなく手紙を送り、早めに訪問して遺族に直接弔意を伝えましょう。
弔電はどこに送る?
弔電は、通夜や葬儀・告別式が行われる会場宛に送ります。弔電を送る際は、宛名の喪主名の前に斎場名を書いた後、「気付」と記載します。
複数の葬儀を同じ建物で行う斎場もありますので、弔電の取り違えが起こらないよう、斎場や遺族に弔電を送ったことを予め伝えておくと良いでしょう。
どういう風に書けば良い?弔電の宛名の書き方とは
弔電の宛名は、基本的に喪主のフルネームです。喪主のフルネームがわからない場合は、「故人の名前」様ご遺族様と記入します。
また、弔電を喪主以外の人に送りたいという場合は、「喪主名」様方とした上で送りたい人の名前を入れます。
団体や企業が葬儀を取り仕切っている場合の宛名は、葬儀責任者や葬儀の主催者となります。
差出人名の書き方とは?
差出人名には、差出人のフルネームと、故人との繋がりがわかるような肩書等を記入します。遺族が差出人名を見て、どこの誰かがわからない、ということがないよう、忘れずに記入しましょう。
差出人が夫婦や世帯の場合は、差出人名を連名にしても、世帯主の名前のみで送っても構いません。
弔電を連名で送る場合のルール1 会社関係の場合
会社関係者が連名で弔電を送る場合、差出人名の順序は上役からになります。
記名の際は、会社名や部署名、肩書を記載しましょう。
弔電を連名で送る場合のルール2 兄弟姉妹の場合
兄弟姉妹が連名で弔電を送る場合は、年齢の高い人から順に名前を記載します。
ただし、男女の兄弟の場合は長男の名前が先となるため注意が必要です。兄弟姉妹の人数が多い場合は、「兄弟(姉妹)一同」と記載しましょう。
弔電を連名で送る場合のルール3 4人以上で送る場合
弔電の差出人を連名にする時は、人数に気をつけましょう。
連名で記載するのは3名までで、差出人が4名以上になる場合は、「~一同」と記載します。
電報の申し込み方法
電報を送るには、インターネットや電話での申し込みが必要です。NTTでは、電話やインターネットで電報の受付を行っています。最近は、インターネット専門の電報サービス会社や、大手配送業者の子会社も電報サービスを提供するようになりました。
インターネットの場合
インターネットで弔電を送る場合は、電報サービスを行っている会社のWebサイトから申し込みをします。
Webサイトでは、弔電用の台紙を写真で確認できるほか、文例を目で見て選ぶこともできます。台紙や文例、当日届けの受付終了時間は業者によって異なります。
電話の場合
電話での申し込みは、固定電話や携帯電話から「115」に電話をかけます。通話料は無料です。
115は、2009年にNTT以外の業者にも開放されたため、KDDIの対象電話回線とソフトバンク回線から115にかけると、自動的に各会社の電報サービスオペレーターに繋がるようになっています。
電話での電報受付は、午前8時から午後10時までですが、当日届けの受付時間は各会社によって異なります。
その他の申込方法
郵便局では、窓口で電報の受付を行っています。受付時間は窓口の営業時間のみで、午後3時までに受付した電報は当日届けが可能です。
電報の費用について
電報の費用は基本的に、「台紙の金額+メッセージの文字数金額+送料・手数料の合計」となりますが、あらかじめ台紙の金額に文字数の金額や送料が含まれているという会社もあります。
電報サービス会社によって金額やオプションなどに違いがあるので、希望に沿ったサービスがある会社を選びましょう。
D-MAIL
NTTの電報受付サービスです。インターネットと電話での申し込みに対応しています。
台紙は0円から17,300円までです。D-MAILの利用には、台紙の料金のほかにメッセージと差出人名を合計した文字数の金額がかかります。文字数の金額は、インターネットと電話で異なるため、Webサイトやハローページで確認してください。
でんぽっぽ
KDDIが提供している電報サービスです。インターネットでの申込みのほか、電話やFAXでの申込みにも対応しています。
台紙は1,500円から23,000円となっており、文字数の加算はありません。
プリザーブドフラワーや生花とセットになった電報も取り扱っています。有料オプションとして、当日3時間以内に電報を届ける当日お急ぎ便があります。
VERY CARD
佐川急便の子会社が行っている電報サービスで、インターネットからの受付のみ行っています。台紙は1,400円から21,600円で、本文350文字、差出人140文字までは文字数の加算がありません。
電報ではなく、立て札付きの供花を届けるサービスも行っています。
「特急!サプライズ便」という有料オプションを700円で追加することが可能です。
ハート電報
インターネット専門の電報サービス会社です。台紙は1,400円から14,000円となっており、文字数加算はありません。
通常のお悔やみ用台紙のほか、お供えセット電報という、ろうそくや桐箱入り線香付きの電報を取り扱っています。電報のお届けはヤマト運輸と日本郵便が行っています。
e-denpo
インターネット専門の電報サービス会社です。1,900円からの通常のお悔やみ用台紙から、電報なしで供花のみの65,100円のものまで幅広い価格帯の台紙を取り扱っています。
文字数加算はありませんが、本文は288文字まで、差出人は175文字までという制限があります。地域限定で、有料のスピード便が利用でき、NTTの電報代行も行っています。
電報の書き方のマナー
弔電には、避けるべき言葉や使うべき敬称など、書き方のマナーがあります。マナーを守り、丁寧な言葉使いを心がけましょう。
忌み言葉は避ける
弔電では、使ってはいけない忌み言葉があります。以下の言葉は弔電には不適切な言葉なので、使用しないように気をつけましょう。
・重ね重ね、たびたび、再びなど、繰り返す言葉
・9や4などの不吉とされる数字
・迷う、いよいよ、とんだことなど、成仏できないような意味にとられる言葉
正しく敬称を使う
亡くなった方と受取人(喪主)の関係別に、弔電によく使われる敬称をご紹介します。
・実の父「ご尊父(ごそんぷ)様」「お父様」「お父上」【様】
・妻の父「ご岳父(ごがくふ)様」
・実の母「ご母堂(ごぼどう)様」「お母様」「お母上」【様】
・妻の母「ご岳母(ごがくぼ)様」「お義母様」
・両親「ご両親様」「ご父母様」
・夫「ご主人様」「ご夫君様」
・妻「ご令室(ごれいしつ)様」「ご令閨(ごれいけい)様」「奥様」
・祖父「お祖父(おじい)様」「ご祖父様」
・祖母「お祖母(おばあ)様」「ご祖母様」
・息子「ご子息様」「ご令息様」
・娘「ご息女様」「ご令嬢様」「お嬢様」
・兄「兄上様」「ご令兄(ごれいけい)様」「お兄様」
・姉「姉上様」「ご令姉(ごれいし)様」「お姉様」
・弟「ご令弟(ごれいてい)様」「弟様」
・妹「ご令妹(ごれいまい)様「妹様」
・家族「ご家族様」「皆様」「ご一同様」
葬式の電報の例文
電報サービス会社のホームページやNTTのハローページでは、よく使われる文章を例文として掲載しています。
今回は、数ある文例の中からよく使われている弔電文例を1つご紹介します。〇〇様の部分には、亡くなった方の敬称を入れます。
「〇〇様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。」
まとめ
電報は、どうしても葬儀に参列できない時に、故人の冥福を祈っていると遺族へ伝える大切なツールです。
弔電のルールやマナーを守って、遺族への配慮を忘れないようにしたいものですね。