葬儀で喪主が挨拶するタイミング
喪主が挨拶をするタイミングは主に3回あります。1回目はお通夜です。読経終了時や通夜振る舞いを開始する時に、参列者に対して故人に代わって感謝の気持ちを込めて挨拶をします。
通夜振る舞いの習慣がない場合は、受付で簡単な挨拶をすることになります。
2回目に挨拶するタイミングは告別式、3回目は精進落としです。
どちらも故人を偲び、参列者へ感謝の意を表します。
挨拶のポイントと注意点
喪主の挨拶は、簡潔かつ感謝の気持ちが伝わるように心掛けましょう。長くても3分以内でまとまるように心掛け、不安な場合は紙に書いたものを読みながら挨拶しても問題ありません。
ここでは以下の各場面で話すべき内容、および注意点について解説します。
①通夜振る舞い
②告別式
③精進落とし
①通夜振る舞い
通夜終了後、参列者に食事や飲み物を供す「通夜振る舞い」を行います。通夜振る舞いは故人を偲ぶ場で、喪主は開始時と終了時に挨拶をします。
開始時に話すべき内容は、参列してくださったことへのお礼、故人とのエピソード、今後の葬儀の予定、そして食事の案内です。
終了時には、通夜振る舞いに来てくださったことへのお礼、無事に通夜が終了できたことの報告、そして今後の葬儀の再案内を伝えます。
通夜振る舞いが開始してから、1~2時間後を目安に締めの挨拶を行いましょう。
②告別式
告別式では出棺時に挨拶を行います。故人に代わって参列者の方々にお礼を伝える場ですので、上手に挨拶しようとするよりも、感謝の気持ちがより伝わるよう意識しましょう。
お通夜と告別式のどちらかにしか参列できない方もいるため、ここでの挨拶はお通夜での挨拶と内容が重複していても構いません。
③精進落とし
「精進落とし」は、告別式の後や告別式後に行われる初七日法要後に振る舞う食事です。
通夜振る舞いと同様に、開始時と終了時に挨拶をします。主に参列者へ葬儀を無事に終えることができたお礼を伝えましょう。
使ってはいけない言葉
上記の場面で挨拶する際に避けるべき言葉があります。
具体的には、不幸を繰り返すことを連想させる「再び」「追って」「もう一度」などの言葉や、「度々」「ますます」などの重ね言葉は使わない方が良いとされています。
また、生死に直接関係する「死亡」や「生きる」は、「ご逝去」や「ご生前」に言い換えます。その他に気を付けたい言葉としては、縁起の悪い「四(死)」や「九(苦)」、不吉を連想させる「消える」「落ちる」などがあります。
ただし、上記のような言葉について意識し過ぎた結果、何も伝わらない内容になってしまうのでは元も子もありません。
何よりも心のこもった挨拶をすることが重要なので、上記のような言葉は可能な限り使わない方が良いという程度にとらえ、自分なりの言葉で感謝の気持ちが伝わる挨拶を心がけましょう。
挨拶の例文
葬儀の準備に追われ、悲しみに暮れる中、挨拶文を一から自分で考えることは難しいでしょう。
そこでここでは例文を2つご紹介します。
特に大勢の前での挨拶に慣れていない方は、ぜひ参考にしてみてください。
例文1
「本日は御多忙中にもかかわらず、母〇〇の告別式にご参列頂き、誠に有難うございました。おかげさまで、昨日の通夜と本日の告別式を滞りなく執り行うことが出来ました。
大勢の皆様に見送られ、故人も喜んでいることと思います。母は、私たち△△家の中で中心的な人でした。
常に家族のことを思い、私たちの誕生日などには欠かさずプレゼントを贈ってくれるなど、優しい母でした。
今後とも、母の生前同様、皆様のご厚誼を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。本日は本当に有難うございました。」
例文2
「本日は雨でお足元が悪いにも関わらず、母〇〇の葬儀にご参列頂き、誠に有難うございました。私は長男の□□でございます。
遺族を代表して一言ご挨拶申し上げます。母は去る四月に入院し、闘病生活を送っていました。入院以来、家に帰りたいと何度も申していました。
私どもも、母に家に戻って来て欲しいとの思いから、看病を続けていましたが、それも叶わず、九月十日の早朝、七十五歳で永眠致しました。
本日皆様にお見送りいただき、母も喜んでいることと思います。改めてお礼申し上げます。」
まとめ
本稿では葬儀の挨拶のポイントと注意点、および例文をご紹介しました。
葬儀では喪主が挨拶する機会が多々あります。家族が亡くなったばかりで悲しみの淵にいる時ですので、挨拶まではなかなか気が回らないかもしれませんが、参列してくださった方々への感謝の気持ちを表すことは忘れずにしておきたいものです。
この記事を参考に、挨拶の内容を考え、葬儀を滞りなく進行できるようにしておきましょう。