お墓参りとは
お墓参りは、先祖を供養し自分に命を繋いでくれた先祖に対して感謝するために行います。かつてお墓は集落の近くや屋敷のすぐ隣にあったことから、人々にとってお墓参りは身近な生活の一部となっていました。しかし、時代を経るごとにお墓参りは生活とは切り離され、お墓が遠い、あるいは仕事が忙しいといった理由で、年に数回お墓参りをする程度になりました。
主なお墓参りの時期
主なお墓参りの時期としては、お盆、お彼岸、命日、年末年始、年忌法要などが挙げられます。その他、「志望校に受かった」「就職が決まった」「結婚した」といった人生の節目にも、できる限りお墓参りをして先祖に報告し喜びを分かち合いましょう。
お盆
年に一度のお盆の時期になると、亡くなった人たちが家に帰ってきます。「盆・正月」という言葉に聞き馴染みがあるように、一年で最もお墓参りが行われる時期です。お盆を故人と一緒に過ごすには、故人を家に迎えるためにまずお墓参りから始めます。お墓を掃除して、家に帰ってくる故人を迎え、そして送り出すのが一連の流れです。
お彼岸
お彼岸には春のお彼岸と秋のお彼岸があります。春のお彼岸は、春分の日を中日とした前後3日を合わせた1週間のことで、秋のお彼岸は、秋分の日を中日とした前後3日を合わせた1週間のことです。春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈んでいくことから、迷いから解放された悟りの境地である彼岸に通じやすい日であると考えられています。彼岸は、あの世とこの世が最も近くなるとされており、お寺によっては法要が営まれます。お盆は先祖の魂が家に帰ってきますが、彼岸のお墓参りは先祖に会いに行くといった感覚に近いと言えるでしょう。
命日
故人の命日もお墓を訪れる機会の一つになります。毎月故人が亡くなった日を「月命日」といい、亡くなった月の命日を特に「祥月命日」といいます。1年に1度の祥月命日はもちろんのこと、月命日もお墓参りに適したタイミングといえます。一般的には祥月命日に合わせて法要を行うので、命日の中でも祥月命日は特にお墓参りにとって重要な時期です。
年末年始
新年を気持ち良く迎えるため、お墓掃除とお墓参りを年の瀬に行うことも多いでしょう。また、お正月に家族でそろってお墓参りをし、1年の無事を祈ることをしきたりにしている家庭もあります。遠方に住んでおり年末年始でしかお墓参りができないという方は、特に丁寧なお墓掃除を心がけましょう。その際、1年間の出来事を先祖に報告するのも良いでしょう。また、新年にお墓参りをする際は、新しい年を無事に迎えられたことを先祖に感謝する気持ちで臨みましょう。
お墓参りに適さない時期
お墓参りをしてはいけない時期は特にありません。「お墓参りをしたい」と思い立てば、いつでもお墓参りをして構わないのです。一説にはお正月はお墓参りを避けた方がいいという話もありますが、年末のあわただしい時よりも、新年になってゆっくりできる時期の方がいいという考え方もあります。また、29日は、「二重に苦しむ」という意味としてとらえてお墓参りを避けた方がいいという説と、「ふ(2)く(9)」の日としてとらえてむしろお墓参りにはうってつけの日だという話もあります。このように様々な説があるので、基本的にはお墓参りは行いたいときに行うのが良いでしょう。
お墓参りで避けたい時間
上述したように、お墓参りに適さない時期は特にはありませんが、避けたい時間帯はあります。一般的に挙げられるのが夕方の「逢魔時(おうまがとき)」です。逢魔時とは人の顔が判別できないほどの暗い時間のことで、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が活動を始める時間とされています。また、夕方以降のお墓はとても暗く、多くの場合、外灯もあまりありません。足元が見えづらく段差などで転んでしまうこともあり得るでしょう。人気もないため、かつては事件などもしばしばありました。このように夕方以降のお墓参りには多くの危険がつきまとうので、できるだけ避けた方が良いでしょう。
まとめ
お墓参りをする一般的な時期をご紹介しました。お墓参りは避けなければならない時期はありません。思い立ったときにお墓参りをすると良いでしょう。一方、お墓参りに適さない時間帯はあります。夕方以降の暗い時間は避けましょう。
お墓参りは先祖と心の交流ができる大切な時間です。毎日忙しくてもできる限りお墓に足を運んで、先祖に良い報告ができたらいいですね。