火葬許可証とは
火葬許可証は、遺体を火葬し埋葬する際に、自治体の許可が下りていることを証明するための書類です。火葬許可証がない状態で火葬・埋葬することは犯罪になるため注意しましょう。
なお、我が国の法律では死後24時間以上経過していないと火葬してはならないという決まりがありますが、期限は特にありません。
しかし、期限が決まっていないからといって、遺体を火葬・埋葬せずに置いておいたり火葬後の遺骨を放置したりすると「死体遺棄」と見なされてしまいます。
死後はすみやかに所定の手続きを行い、火葬・埋葬を行いましょう。
火葬許可証の発行について
火葬許可証は遺体を火葬する際に必ず必要な書類です。故人の死を確認した医師によって交付される「死亡診断書」と「死亡届」を、市区町村役場などの地方自治体に提出することにより発行されます。
以下では火葬許可申請書の作成方法を解説します。
なお、混同されやすい書類に「埋葬許可証」がありますが、実態は同じです。火葬前の段階では自治体から「火葬許可証」として交付を受け、火葬後にそれが「埋葬許可証」となります。
火葬許可申請書の作成について
火葬許可申請書の作成は、多くの場合、葬儀社の担当者が代行してくれます。自分で行う場合は、地方自治体の窓口で申請用紙を入手し、故人の情報、死因、埋葬または火葬場所、申請者の情報などを記入します。
申請用紙は、地方自治体によってはホームページからダウンロードできる場合もあります。
なお、提出時は届出人の印鑑と身分証が必要になります。基本的には葬儀社が代行して対応してくれるので印鑑の用意をしましょう。
提出先について
火葬許可申請書は、死亡届と死亡診断書(基本的には一枚の用紙になっています)を添えて、死亡した場所・故人の本籍地・故人が住んでいた場所のうち、いずれかの地方自治体における戸籍係の窓口に提出します。
原則として、申請書を提出したその場で火葬許可証を発行してもらうことができます。
火葬許可申請書の提出は、地方自治体が開いていない時間外でも可能です。ただし火葬許可証の発行は地方自治体が開いている時間のみ対応しているので、スムーズに進めるためには事前に受付時間を調べた方が良いでしょう。
受け取った火葬許可証は火葬場に提出します。火葬が終わると火葬日時が記入されて火葬済みという押印がされ、「埋葬許可証」となって遺族の手元に戻ってきます。
提出期限について
火葬許可申請書の地方自治体への提出期限は、国内で死亡した場合と国外で死亡した場合で異なります。国内で死亡した場合は、死亡の事実を知った日から7日以内(7日目が休日の場合はその翌日まで)、国外で死亡した場合は、死亡の事実を知った日から3ヶ月以内に提出するよう法律で定められています。
原則として、死亡届と火葬許可申請書は同時に提出する必要があります。
届出人について
死亡届と火葬許可申請書の届出人は同一人物である必要があります。また、死亡届は届け出の義務を負う人が以下の順で限定されているため、必然的に火葬許可申請書を届け出る人もこれに準じることになります。
一般的には死亡届の提出も一貫して葬儀社が行うため、代理人としての対応になることが多いです。
火葬許可証が必要な場面
火葬許可証(埋葬許可証)が必要になる場面は2回あります。1回目は火葬をする時、2回目は納骨をする時です。
火葬許可証がなければこれらを行うことはできません。以下ではそれぞれの場面でどのように活用されるかご紹介します。
火葬をする際
火葬許可証が最初に必要になる場面は火葬です。火葬前に管理事務所へ許可証を提出します。
火葬が終わった後は「火葬済」の認印が押され、また火葬日時が追記されることで、火葬許可証は埋葬許可証としての機能を持つことになります。
納骨の際
故人の遺骨をお墓や納骨堂などへ納骨する際は、埋葬許可証を渡す必要があります。
火葬後、四十九日の法要が終わってから納骨となりますが、納骨までの間、埋葬許可証は骨壺の箱に中に入れて保存するのが一般的です。
火葬許可証を紛失した場合
万が一火葬許可証をなくしてしまった場合、市区町村の役場で再発行を行うことができます。ただし、手続きを行うことができるのは、死亡届を届けた人、故人の直系親族、祭祀継承者(お墓、仏壇など先祖を祀る財産を引き継ぐ人)のいずれかに限られます。
申請にあたっては、申請者の本人確認書類と認印、火葬証明書(死後5年以上経っている場合)、亡くなった人との関係が分かる資料(死亡届の届出人以外が申請する場合)が必要です。
まとめ
ここでは、火葬許可証の基礎知識、火葬許可申請書の作成方法、活用場面、そして紛失した場合の再発行についてご紹介しました。
葬儀社へ依頼された場合は全て葬儀社が代行し対応してくれるので基本的には心配することはありません。